日本国際地図学会 創立40周年記念出版
地図と文明 −地図と歩んだ人びとの歴史−
平成15年4月20日発刊 B5判 191ページ 定価2,500円+税 ノーマン・J・W・スロワー 著 日本国際地図学会 監訳 表現研究所 発行 〔目 次〕 日本国際地図学会会長あいさつ 日本語版刊行にあたって 日本語版編集の経緯 はしがき 本文 1.まえがき:文字がなかった時代の人びとの地図 2.古典古代の地図 3.東および南アジアの初期の地図 4.中世におけるヨーロッパおよびイスラムの地図学 5.プトレマイオスの再発見とルネサンス期ヨーロッパの地図学 6.科学革命と啓蒙時代の地図学 7.19世紀における多様化と発展 8.現代の地図学:官公庁および準官公庁の地図 9.現代の地図学:民間と学協会団体の地図 別表 付A 選択した地図投影 付B 主な等値線の表 付C 用語解説 図版出典 索引 |
原著: Maps and Civilization : Cartography in Culture and Society, Second Edition by Norman J.W.Thrower The University of Chicago Press, 1999 |
《日本国際地図学会会長あいさつ》 |
本学会創立40周年記念出版として、『地図と文明−地図と歩んだ人ぼとの歴史−』が発行されることになりました。本書は、ノーマン・J・W・スワロー教授著書の1999年第2版の日本語版で、原著は副題に示されているように、文字がなかった時代から今日にいたる文化と社会の変遷に沿って、その時代ごとの文化の中心における地図とその発達・影響の内容を豊富な事例と地図図版を交えて明らかにしていることで、初版から国際的に注目され高い評価を受けてきたものです。第2版では先進的であった東アジアであまり知られていない事例、コロンブスの第1次大西洋横断航海復元の動画的進展図、衛星画像、地理情報システムなども紹介されております。現在、カーナビゲーションが急速に普及し、地図が日常の活動に必須となっているときに、地図の機能よよりよく活用する手助けとなるもの、そして地図発達の手ごろな通史で、世界的視野に基づく基本文献としても役立つものが求められています。本学会の地図史と地図用語それぞれの専門部会活動の中で実現したこの日本語版は、原著の意図について地図専門家による解釈に基づく必要な解説の注釈も加えれ、平易な日本語でわかりやすく書かれており、一般書として広く読んでいただけるものと期待しております。 終わりになりましたが、本書出版について、原著者は翻訳を快く承認し、原著出版社への紹介、ならびに内容についての質疑等に誠実に対応をして下さいました。地図史と地図用語それぞれの専門部会に設けた臨時小委員会の会員各位には翻訳その他を献身的に分担されました。また、関係会員各位には創立40周年記念出版としてのこの日本語版の出版を推進され、原著出版社のシカゴ大学出版部とその日本代理店は翻訳の便宜を供与され、株式会社表現研究所は本書の出版を具体化されました。改めてそれらの組織およびその実務に携わった各位に深く感謝申し上げます。 |
会長 大竹一彦 |
日本語版刊行にあたって |
本書は、Norman J.W.Thrower Maps and Civilization : Cartography in Culture and Society, 2nd ed. (The University of Chicago Press, 1999)の日本語版である。原著は同著者による Maps and Man : An Examination of Cartography in Relation to Culture and Civilization (Prentice-Hall, 1972)を大幅に増補改訂し、改題して出版されたMaps and Civilization ( The University of Chicago Press, 1996) をさらに増補したもので、国際的な注目と高い評価を得ており、英語版のほかに既にスペイン語版が刊行され、その他の外国語版も企画されている。 著者の大学おける講義ノートから出発した本書は、文字がなかった時代からコンピュータ地図の現代にいたるそれぞれの地図のトピックスを、歴史の流れに沿った文化と社会との相互作用の観点から考察している。また類書では簡略に扱われがちな近・現代の地図についても多くのページをさき、一般図も含む地図の機能とその発展を、多くの具体的な事例と図版を用いて紹介している。地図と社会とのかかわりのさまざまなあり方を物語る本書から、地図が持つ機能とその面白さを味わっていただければ幸いである。 日本語版翻訳は地図史専門部会の臨時小委員会で分担して行った。訳稿の統一と整合、原著者との質疑、出版に関する調整等は金澤 敬による。別表(付A、付Bおよび付C)については、地図用語専門部会(主査:坂戸直輝)臨時小委員会の、また本文の校閲は下記会員のそれぞれ多大な協力によった。 |
地図史専門部会主査 鈴木 純子 |
地図史専門部会臨時小委員会: 石山 洋(1章、2章);金澤 敬(はしがき、7章、8章、9章);鈴木純子(3章、4章);長谷川孝治(5章);羽田野正隆(6章) 括弧内は翻訳の分担内容を示す。 地図用語専門部会臨時小委員会: 今井健三、上田秀敏、大竹一彦*、金澤 敬*、金子純一、坂戸直輝*、鈴木純子*、田中康夫、長井俊夫、永井信夫、西沢邦和、萩原康之、菱山剛秀、淵本正隆*、細井将右、丸山弘道、寄藤 昴 *印は全体を通して審議に参加した。審議済項目の整理とりまとめは鈴木純子による。 校閲協力: 大竹一彦、金窪敏知、永井信夫、中村和郎、細井将右、正井泰夫、森田 喬 |
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